日々の食事をよりおいしく楽しむために、お料理を盛り付ける器はとても大切です。
そんな器のことをすこしお話します。
器には大きく分けて「磁器」・「半磁器」・「陶器」があります。
磁器について
磁器は主に石の粉末を練ったもので作られた器です。高温で焼き、生地が硬く焼き締まるので強度があります。吸水性がなく耐久性に優れているのでレストランやカフェなどでもよく使用されています。電子レンジや食器洗い乾燥機を使用することができ、とても扱いやすい器です。毎日気軽に器を使いたい方や、小さなお子さんにもおすすめです。
半磁器について
半磁器は陶器と磁器の性質を併せった器で、多少の吸水性があります。陶器より強く、また陶器に近いやさしい風合いの器です。温かみのある器がいいけれど、ある程度の丈夫さも欲しいという方におすすめです。
*電子レンジや食器洗い乾燥機での使用が可能です。
*使っていくうちに貫入(素地と釉薬の収縮率の違いによって生じる釉薬部分のヒビのこと)が入ることがありますが、商品本体の破損ではありませんのでご使用に支障はありません。
陶器について
陶器は主に土で出来ています。磁器に比べると土の密度が低いため、あまり強度がありません。吸水性があり、木製品や革のように使い込むうちにそれぞれの味が出てきます。年月を経た風合いがよく感じられる器です。焼き色の違いや色むらなどひとつひとつの表情が異なり、やさしく温かみがあるのが特徴です。
*陶器を使うときに知っておいてほしいこと。
- 陶器をお使いになる前には目止めをしてください。
- 電子レンジ、オーブン、食器洗い乾燥機、直火のご使用はできません。
- 使っていくうちに貫入(素地と釉薬の収縮率の違いによって生じる釉薬部分のヒビのこと)が入ることがありますが、商品本体の破損ではありませんのでご使用に支障はありません。
*陶器を使う前に。
汚れの侵入を減らすためにきれいな水に5分程度浸してください。水分を含むと、斑点のようなシミが浮き出るものもありますが、乾くと消えます。
*陶器を使った後は。
すぐに洗剤で洗い、よく乾燥させてから収納してください。吸水性の高い器ですので乾燥が十分でないとカビや臭いのもとになります。直射日光での乾燥は殺菌効果もありますのでおすすめです。
陶器の“目止め”について
陶器は磁器や半磁器に比べ吸水性が高いため汚れなどが染み込みやすい器です。ご使用前に目止めの作業をすることで、器の表面の目を埋め、水漏れを防ぐのと同時にシミやにおいを染みにくくします。器を長く愛用するための作業です。
目止めのしかた
- 器がすっぽり入るお鍋と米のとぎ汁を用意します。
鍋は油汚れなどをよく洗ってからご使用ください。 - 鍋底に白い無地のきれいなふきんを敷き、その上に器を置きます。
このとき色つきの布は避けてください。
煮沸をした際に器に色が付いてしまう可能性があります。
※器は伏せずに鍋に入れてください。 - 米のとぎ汁を器がかぶるぐらい入れます。
(小麦粉や片栗粉でも代用できます。大さじ1から2杯ほど入れてください。)
弱火から中火で沸騰させた後、沸き立たせないように弱火で20分ほど煮沸します。
沸き立たせると食器同士が揺れてぶつかり、割れる恐れがありますのでご注意ください。
*複数の器を同時に目止めする場合、器の間にキッチンペーパーなどをはさんでいただくと安心です。
*長時間煮沸をしないでください。でんぷん質が焦げ付く場合があります。 - 火を止めた後は、器をつけたまま冷まします。
冷めきったら器を取り出し、ぬめりを取るように洗います。
乾いた布で拭き、よく自然乾燥させます。
※IH調理器にて目止めを行うときは。
IH調理器では、鍋に直接器を置くと器の一部分が熱せられ温度差が生じやすくなり、破損してしまう可能性があります。IH調理器を使用した目止めは以下の点に注意して行なってください。
鍋底と器の間に空間をつくる
鍋底に白い無地のきれいなふきんを厚めに畳んで置き、鍋底と器の間に2〜3cmの空間をつくります。そしてその上に器を置きます。
鍋底と器の間に空間をつくることで、鍋の中で水が対流しやすくなり、
器の一部分のみが熱くなるのを防ぐことができます
そのほかはガスコンロを使用した目止めの方法と同じです。
土鍋の目止めのしかた
- 土鍋を洗い、外側をよく拭きます。このとき完全に乾かしてください。
- 鍋の中に八分目くらいまでとぎ汁を入れてください。
弱火から中火で沸騰させた後、沸き立たせないように弱火で20分ほど煮沸します。
またはお粥を炊いてください。※このおかゆは食べないようにして下さい。
*長時間煮沸をしないでください。でんぷん質が焦げ付く場合があります。 - 火を止めてそのまま冷まします。冷めたらとぎ汁を捨て、洗浄してください。
- 乾いた布で拭き、よく自然乾燥させてください。
*一度で目が埋まらないときは目止め作業を繰り返してください。